house A

house A
2012.06.22
所在地/千葉県我孫子市
主要用途/住宅
家族構成/夫婦
構造/木造(リノベーション)
延床面積/20㎡(対象面積)
意匠設計監理/seets廣瀬悦子
施工会社/マサケン
郊外に建つ、築30年の戸建住宅の、
水周りを中心とする1階北側空間のリノベーション。

1階の北側に水周りを集中させている住宅は、とても一般的です。
しかし、北側の柔らかな光を生かし、
また風通しを考慮した空間とは言い難い。

この住宅もまた、
浴室、洗面室、トイレ、ダイニングキッチン、廊下と、
個々の部屋がドアと壁によって囲まれ、
「暗」く、「湿気」ている印象がありました。

しかし、既存のプランを読み進めると、
北側の外壁には、小さいながらも窓が多く、
更に郊外の住宅地らしく、隣地との距離も
適度に確保されていることが分かりました。

洗面側の空間と、キッチンダイニング側の空間を
ひと連なりにするために、
間に設置されていたトイレを、
あえて少し外壁から放し、
光と風が、間に巡るようにしました。

ひとつの大きな空間の中にある、
という捉え方をしたかったのです。

北側の柔らかな光を拡散するため、
壁は「白」を基調としています。
周りの住宅の庭木の緑が、
爽やかな風とともに窓からのぞき、
白の空間と対比します。
郊外の住宅の良さは、
この緩やかさにある。
そんな印象を持ちました。

既存の枠や壁の質感の上に新しい塗装を重ね、
ところによっては残し、
どこか懐かしさを感じる空間になりました。
新築では出せない、時の作り出すデザインです。

古さを生かすことの楽しさに
夢中になった物件になりました。